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Artist 池田 一Ichi Ikeda 「アートのための未来」ではなく、「未来のためのアート」を語る。

  • 執筆者の写真: Yasuyuki Saegusa
    Yasuyuki Saegusa
  • 2024年3月21日
  • 読了時間: 2分

脱劇場の系譜をたずねるリサーチ・プロジェクト 公開トーク#1 2024


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池田一の仕事は演劇/パフォーマンス/アースアートと共通しているテーマは「いま・ここ」を顕在化させる実存主義的な「もの・ことづくり」ではないか。

それらは一般的には場所性を中心にしたサイトスペシフィックな仕事と定義するところだが巨視的な視点から時間的な設置としてタイムスペシフィックであると本人は言う。

それら池田一の世界観を支えるのは人間中心の在り方ではなく、地球と共に生き生かされている命の祝祭性に根差した在り方であり、その活動が「地球のためのアート」としてある。


そしてそのような池田の活動を「脱劇場」的に解釈するならば、人間の喜怒哀楽を隠喩・寓意によって劇場や美術館という閉じられた空間に表象することから市街そして野外にて現前させる行為とも言えるだろう。つまり人間存在とはあらかじめ演劇的であるのだ。

現代の時代精神は不可視の制度や法によって牢獄化している社会を溶解させようとオーガン※が蠢いているようである。

そこで大いなる地球の声を聴くメディアそのものとして覚醒することの手法を池田一は示しているのではないか。

リプレゼンテーションからやがてプレゼンスを得るためのアートとして。(文責:三枝泰之)


※このオーガンOrganは直訳すると「臓器」になるわけですが、臓器も私たちの意思と関係なく動いているので、人間がコントールできない命、生命を意味します。

 
 
 

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